出版後の収入を比較!商業出版と自費出版、どちらがお得?

ビジネスで10年以上のキャリアを持ち、本を通じて知名度を上げたいと考える皆様に向け、今回は出版後の収入に焦点を当てて解説します。「商業出版は費用負担が少なくて有利」「自費出版はとてもお金がかかる」と言われることが多いですが、実際には自費出版にも大きなメリットがあります。特に、出版後の収入面で考えると、自費出版が魅力的な選択肢であることが見えてきます。
今回の記事では、出版後の著者収入にスポットをあててみました。

出版後の本の流通方法について

書籍の流通には、大きく分けて以下の2つの方法があります。

書店流通

書店流通とは、全国の書店やオンライン書店(Amazonなど)を通じて本を販売する方法です。この方法では、読者が手軽に書籍を購入できるため、多くの人にリーチする可能性があります。

  • 書店やネット書店の広い販売網を活用できる。
  • 全国の書店で販売されることで、認知度が上がる。
  • 読者にとって購入が容易。
  • 手数料がかかり、著者の収益が減る。
  • 書店で販売される冊数は売れ行きに左右される。
自分で販売(直接販売)

書籍を自分の手で直接販売する方法です。例えば、イベントやセミナー、SNSを通じて販売を行います。以前は、自費出版は直接販売がメイン、商業出版は書店販売がメインと言われることも多かったのですが、商業出版でも著者が直接販売する分を取り決めているところもあり、直接販売をするというのは当たり前になってきています。

  • 書籍の販売価格を自由に設定できる。
  • 手数料が発生しないため、収益率が高い。
  • 読者との直接的な関係構築が可能。
  • 販売のための労力と時間がかかる。
  • 流通網に頼らないため、販売数が限定される可能性がある。

商業出版と自費出版の出版後の収入の違い

出版後の収入は、以下の2つのポイントに大きな違いがあります。

書店流通時の収入の違い

商業出版では、著者が得られる収入は「著作権料(印税)」によるものです。印税率は著者と出版社の間で決められますが、相場は3~10%くらいです。ライターがいる場合には、著者とライターで印税を折半することが多いです。

印税(著作権料率)=販売価格x印税率x売れた部数(あるいは印刷部数)

一方、自費出版では「売上還付金」として計算されます。こちらも著者と出版社の間で決められますが、相場は10~50%くらいです。

売上還付金=販売価格x売上還付金率x書店で売れた部数

自分で販売した場合の収入の違い

著者が自ら書籍を販売した場合、書籍を出版社から買い取って販売をします。そのため、定価と買取価格の差額が著者の収入になります。この買取価格は著者と出版社によって決められます。ただし、自費出版の場合、出版の費用を著者が出しているため、自分が販売する書籍については費用が発生しない、あるいは発生したとしても商業出版に比べて安価な場合が多いです。仮に、自費出版で書籍代がかからない場合には、自分が販売した書籍の価格がそのまま収入につながります。ここが大きな違いになります。

収入シミュレーション

ここで商業出版と自費出版の出版後の収入について下記の条件で比較をしてみましょう。

  • 書店での販売部数  500冊
  • 自分が販売した販売部数  500冊
  • 定価1,650円
  • 商業出版の印税率  5%
  • 自費出版の売上還付金率  50%
  • 書籍の買取価格 商業出版・・・定価の80%、自費出版・・・無料

自費出版の方が、商業出版の約5倍もの収入が得られる結果となります。
あくまでこちらは、直接販売の500冊をすべて定価で販売した場合です。直接販売での書籍については人にプレゼントすることもあると思うので必ずしもこの金額にはなりませんが、参考にしてみてください。

自費出版は最初の費用負担が大きい?その後の収入で取り戻せる理由

自費出版では、出版時に著者が費用を負担する必要があります。しかし、出版後の収入面を考慮すると、初期費用は長期的な収益である程度は回収可能です。また、以下の点も自費出版の魅力です。

自分で販売することで、収入を自由に設計できます。例えば、販売促進のために特典を付けたり、オンラインでセット販売を行ったりすることも可能です。

自費出版では書籍の所有権が著者にあるため、手元に残った在庫を活用して、プレゼントやイベント配布などもできます。

自分に合った出版方法を選ぶためのチェックリスト

収入面を重視したい → 自費出版がおすすめ。長期的に安定した収益を見込めます。

初期費用を抑えたい → 商業出版を検討。ただし、収入は少ない点に留意。

販促活動に自信がある → 自費出版は自分でプロモーションを展開できる自由があります。

出版社の信用を活用したい → 商業出版の方が信頼度が高く、メディア露出が狙えます。

まとめ

出版後の収入を重視する場合、自費出版は非常に有利な選択肢です。商業出版は初期費用がかからずハードルが低い反面、収益は限定的です。どちらを選ぶにしても、あなたの目指すゴールに合わせて慎重に検討することが重要です。